Dkn さんの感想・評価
3.9
「三只眼吽迦羅」を読める人は私と同じ「无」ですね。
よく原作ファンからはキャラクターデザイン等の面で
良い評価を受けないOVA「3×3 EYES-サザンアイズ」ですが
アニメファンや業界内で高い評価を受ける名作でした。
しっかりとした実力に裏付けされるデザインのため、
同時期のアニメのデザインと比べ、今でも衰えない。
日本のアニメ業界において外すことの出来ない
アニメーター『新井浩一』の作監によるOVAで、
原作のストーリー序盤(当時未完)を全4章で制作された。
※新井浩一
東映動画出身のフリーアニメーター。
ゴリゴリ動くリミテッドアニメーションを得意とし、
「AKIRA」「老人Z」「マクロスプラス」
「攻殻機動隊」「イノセンス」「新世紀エヴァンゲリオン」
その他、主に劇場作品などに参加する
日本の主力アニメーターの一人。
作監、キャラクターデザインなども手がける。
作者の高田裕三は永井豪作品の大ファンであり
特に「デビルマン」の影響を多大に受ける。
好きが高じ、デビルマンのサウンドトラックCDの
ジャケットを描き下ろしたこともある。
その為、この「3×3 EYES-サザンアイズ」にも
イズムは受け継がれ、人間と化物の狭間で揺れ動く葛藤や
生物としてのあり方がテーマとされている。
暗い過去を持つ人物やテーマ性の反面、
明るさが最大の魅力で、終始コミカルさに溢れる。
物語は、
放蕩親父のせいで、
歌舞伎町のオカマバーで働く主人公“八雲”と
不老不死の秘術の謎を知る娘“パイ”が
夜の街で出会いを果たす所から始まる。
街に現れる巨大生物など、
原作漫画には映像的な表現がこれでもかと
つめ込まれていて、アニメにおいても
よくぞここまでと思うほど落とし込まれていた。
惜しむらくは場面によって原作に負けてる点。
だがそれと同じくらい原作に優るシーンも有る。
映像の丁寧さは折り紙つきで、文句のないアニメ化。
数あるOVA作品の中でも特筆すべきものだと思われる。
なんだかんだ一番嬉しかったのは、
キャストの声がイメージにピッタリなことですねw
不死身の主人公と、
可愛い2面性ヒロインをお楽しみ下さい。